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Wharton MBA 記  ~Carpe diem - 今を生きる~

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2008年 10月 06日

Corporate Development: Merger and Acquisition

今週は二つの大きな課題と二つの試験があるため、今猛烈に時間に追われている。だが、どんなに忙しくても、徹底的に予習をしていかなければならない授業がある。それは、Corporate Development: Merger and Acquisition。予習をしていかないと、全く授業についてゆけない。でも、以前も記したかもしれないが、この授業の要求度に思わずへこたれそうになりはするが、授業の質の高さには僕はかなり満足している。

この授業では、企業がいかなるモチベーションで合併や買収を考えるのか学ぶ。そしてその背景にある様々な戦略と戦術など、過去に起こった実際のM&Aを題材に分析してゆく。言わずもがなだが、授業の質の高さは、やはり教授のレベルに完全に比例している。教授の名はSaikat Chaudhuri。冷静でかつ抜群に頭がきれる。まだ年齢は若いが、今後Whartonから生まれる著名教授の一人になるのではなかろうか。

このクラスでは、始めおよそ30分をかけて、Marketの分析を行う。主に、Wall street Journal の第一面のテーマが議題にあがることが多い。昨今のFinancial crisisから始まった金融機関の買収etcは、授業の題材としては正に最適。クラス内にも、過去に、現在話題にのぼっている企業で働いていた人も多く、そのディスカッションは、あらゆる角度で進化してゆく。

今日の授業中、数人の生徒の発言が極めて興味深かったのでここに記しておきたい。
「僕は社会主義国から来た。資本主義とは、効率的なマーケットが自動的にあらゆる問題を解決に導く。僕はそう学んできた。だが実際、世界、とりわけ昨今米国で起こっていることはgovernment による金融機関の救済。果たしてそれは資本主義と言えるのか?神の手はいずこに」

「我々はいつまでregulationを作り続けるのだろう。我々はどこまでregulationを強化するのだろう。果たしてそれは効率的な資本主義市場の構築に寄与するのだろうか?結果的に政府の救済の額は、金融危機の度に増加しているではないか」

何気ない発言だったが、彼らのいっていることはあらゆる意味で興味深い。ソビエトが崩壊し、もうすぐ20年が経過しようとしている。かつて社会主義国だった多くの国は資本主義国家へと変貌を遂げた。東欧の国々を見ればそれは明らかだ。それは、資本主義の成功と繁栄を世界の多くの人々が認めたからだ。

その結果起こっているのが昨今の金融危機。

そんなことをしみじみと考えさせられた。

by ny_since1999 | 2008-10-06 22:44


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