Wharton MBA 記  ~Carpe diem - 今を生きる~

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2008年 12月 24日

Harvard

つい最近Wall Street Journalの記事に目がとまった。Harvard大学の基金の運用者に支払った報酬が、上位6人への額を合計すると$26.8million(おそよ25億円)に達したという記事だ。その中でも写真が掲載されているMr. Stephen Blythは一人でおよそ6億円もの報酬を手にしたそうな。周知の通り、高額な報酬自体は、アメリカ社会では決して珍しいことではない。僕の興味を引いたのは、その報酬を払っているのは、ウォール街の一流企業ではなく、教育を担う一大学の基金であるという事実だ。もちろん、運用チームがボラタイルなマーケットの中で確かな運用成績を残したのも事実。その事実に基づき、報酬を決定したというのがHarvardの見解であり、それは極めてフェアだと僕自身思う。でも、繰り返すが、それが一教育機関の一ファンクションだということが特筆すべきポイント。世界最高レベルの運用チームを学内に設け、資産の強大化を図るそのHarvardの姿は、今後の大学教育を考える上で多くの示唆を与えてくれる。
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Harvardは現在$37 billion(3兆5000億円)を基金に抱えている。同じく、基金の規模でNo2.のYale大学でもおよそ2兆円の基金を持つ。ちなみに東京大学の総予算はおよそ2000億円。つまり、Harvard基金の”運用益”だけで東大の総予算を”楽”に賄えてしまうことになる。それほどに、世界のトップと日本のトップの大学との間には、“金銭的な豊かさ”に差がある。もちろん、このことが結果的に教育の“質の差”として現れていることは否定できない事実なのかもしれない。

特筆すべきことは、そのHarvardの基金の源だ。ご存じの方も多いと思うが、Harvardの場合、その基金の多くが、卒業生の寄付によって成り立っている。最近では今年の10月にHBS出身のハンジョーグ・ワイス氏が個人で127億円を寄付した。4月には米大富豪のデービッド・ロックフェラーが同じく100億円を寄付している。このように、Harvardを卒業し、社会で大成功を収めた人が“寄付”という形で母校に恩返しをしているのだ。その“勝者の循環”に加え、上述したように、世界トップクラスの運用チームを高額な報酬で雇い、更なる規模の拡大を目指す。いつしか出来上がったのは4兆円近くにも及ぶ巨大な基金というわけだ。

今Harvardでは面白い動きがあるそうな。「お金はもう沢山あるから、授業料を減らそう。究極的には無料にしよう」と言うのだ。学費を無くし、世界から更に優秀な若者たちを集める。そしてその若者たちはやがて、社会で成功し、また“寄付”という形でHarvardに戻ってくる。こういった考えがこの新たな計画の根源にあることは言うまでもない。なんて恐ろしい大学だろう。そしてなんて革新的な大学だろう。

日本では、ゆとり教育という言葉が出現して久しい。時間を増やすだとか増やさないだとか。円周率がどうだとか、台形の面積がどうだとか。23日の日経新聞にも、こんなことが書いてあった。「ゆとり路線の転換。高校までに学ぶ英単語の量を1300字から1800字へ」。ゆとり教育でゆとりを与えすぎたから、やっぱりやめようという話。他方では、国策的に始まった日本の法科大学院も見逃せない。設立から数年が経過したが、構想通り結果がでずパッとしない。しまいには、「調子にのって大学院を全国に作り過ぎちゃいました」といった話もチラホラ。そうこうしているうちにHarvardは更に進化しようとしている。

日本の教育は一体どうなっているのだろう。

日本よ、もっとデカク行こうぜ。
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by ny_since1999 | 2008-12-24 12:44


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