2009年 03月 17日
いよいよ最後の学期が始まった。 The beginning of the end has begun..... 今期受講する科目は、 Intermediate Chinese Negotiation Fixed Income は第三クォーターに引き続き受講。 そして、今クォーターは新たにCorporate Governance を受講することにした。こんにち世界の企業が不況という宿痾に苦しむ中、その病の発端となったアメリカではCorporate Governanceをどう考えているかに極めて興味があるからだ。授業の内容は、僕なりの視点を入れて今後もブログに記録してゆきたい。 スケジュールが合えば、もう一つくらい新しいクラスの受講を考えている。 さて、今日は3月17日。今日からちょうど2か月後が卒業式だ。 いよいよ迫ってきた。 明日は、class of 2009の学生がthe 60 Days Party と称し、大きなpartyを開くことになっている。 いざ。 #
by ny_since1999
| 2009-03-17 23:45
2009年 03月 13日
フィラデルフィアに”Stars on Ice” のツアーがやってきた。アイスフィギュアスケートの歴代のオリンピックチャンピョン、ナショナルチャンピョンが一同にそろい華麗なパフォーマンスを見せてくれる。友人が偶然チケットを僕に譲ってくれたこともあり、今日そのパフォーマンスを見物することになった。 市内にある僕の家から車でおよそ15分。そこには多くのスタジアムが構える地区に待ち構えていた。野球、バスケット、etc。そこはまさにエンターテイメントが集合した地。思えばアメリカに来てはや2年。毎日学校と家の往復ばかりで、実際僕はフィラデルフィアの街のことをあまりよく知らない。無論、エンターテイメントなんぞは見たこともない。そんな中、弩デカイスタジアムが集まるエンターテイメントの地を見て、なんだかその光景が新鮮でもあった。今になって、アメリカの醍醐味を見たような気がした。もう日本に帰るというのに。 さて、”Stars on Ice” の内容は、言うまでもなく非常に僕を楽しませてくれた。観客は、皆ポップコーン、ホットドッグ、ダイエットペプシーを飲みながら、”雄叫び”をあげ、パフォーマンスに反応する。そんな観客の姿を目にし、自分が今アメリカという地にいることに改めて気づかされた。 アメリカよ、あめりかよ。 アメリカで勃発したサブプライムから始まるstormが世界を吹き荒れてから久しい。アメリカ国内では失業率は上昇し、多くの低所得者層は生きるすべを失った。だが、果たして、地球を吹き荒れるこの不況という名のstormがアメリカの中流以上の人たちにどれほどの負の影響を及ぼしているのだろう。スタジアム一帯の駐車場を埋め尽くす車。金曜日の夜を家族でエンターテイメントを楽しむ多くの国民たち。決して僕の目にした人たちが母集団にはならないことを知りつつも、僕ははっきりと自分の中で呟いていた。不況が吹き荒れようが、株価が下落しようが、格差社会が拡大しようが、このアメリカという国はそれでも豊かな国。そしてその”国としての豊かさ”はそう簡単に消えはしない。 日本に戻る前に、アメリカのエンターテイメントをできる限り経験したいと思っている。 #
by ny_since1999
| 2009-03-13 23:29
2009年 03月 11日
11日付の英紙Financial Timesにより選ばれし世界の50人。 日本からは日銀総裁の白川さんと、日産のゴーン。 当然、日本の政治からは一人たりとも選抜されていない。 一方、中国の躍進が目立つ。 下記のリストからは、時代の様々な潮流が見て取れる。 POLITICIANS 1: Barack Obama, 47 US president 2: Wen Jiabao, 66 Chinese prime minister 3: Angela Merkel, 54 Chancellor of Germany 4: Nicolas Sarkozy, 54 President of France 5: Gordon Brown, 58 UK prime minister 6: Vladimir Putin, 56 Prime minister of Russia 7: Tim Geithner, 47 US Treasury secretary 8: Lawrence Summers, 54 Director, National Economic Council 9: Hamad bin Jassem al-Thani, 50 Prime minister of Qatar; head of Qatar Investment Authority 10: Wang Qishan, 60 Vice-premier, China 11: Barney Frank, 68 Chairman, House of Representatives financial services committee 12: Steven Chu, 61 US energy secretary 13: Olivier Besancenot, 34 French party leader CENTRAL BANKERS 14: Ben Bernanke, 55 Chairman, US Federal Reserve 15: Jean-Claude Trichet, 66 President, European Central Bank 16: Zhou Xiaochuan, 61 Governor, People's Bank of China 17: Mervyn King, 60 Governor, Bank of England 18: Masaaki Shirakawa, 59 Governor, Bank of Japan 19: Mario Draghi, 61 Chairman, Financial Stability Forum and governor, Bank of Italy 20: Mark Carney, 43 Governor, Bank of Canada 21: Miguel Ordóñez, 63 Governor, Bank of Spain 22: William Dudley, 56 President, Federal Reserve Bank of New York 23: Jacques de Larosière, 79 Honorary governor, Banque de France REGULATORS 24: Adair Turner, 53 Chairman, Financial Services Authority 25: Sheila Bair, 54 Chairman, Federal Deposit Insurance Corporation 26: Mary Schapiro, 53 Chairman, Securities and Exchange Commission HEADS OF INSTITUTIONS 27: Jaime Caruana, 56 General manager, Bank for International Settlements 28: Dominique Strauss-Kahn, 59 Managing director, International Monetary Fund 29: Robert Zoellick, 55 President, World Bank 30: Pascal Lamy, 61 Director-general, World Trade Organisation INVESTORS 31: Lou Jiwei, 58 Chairman, China Investment Corp 32: George Soros, 78 Founder of Soros Fund Management and Open Society Foundation 33: Warren Buffett, 78 Chairman, Berkshire Hathaway 34: Laurence Fink, 56 Chief executive, BlackRock ECONOMISTS 35: Robert Shiller, 62 Professor of economics, Yale University 36: Montek Singh Ahluwalia, 65 Deputy chairman, Indian Planning Commission 37: Paul Volcker, 81 Chairman, Economic Recovery Advisory Board 38: Paul Krugman, 56 Professor, Princeton University; columnist, The New York Times 39: Nouriel Roubini, 49 Chairman, RGE Monitor 40: Leszek Balcerowicz, 62 Professor of economics, Warsaw School of Economics BANKERS 41: Lloyd Blankfein, 54 Chief executive, Goldman Sachs 42: Jamie Dimon, 52 Chairman, JPMorgan Chase 43: Stephen Green, 60 Chairman, HSBC 44: Michel Pébereau, 67 Chairman, BNP Paribas INDUSTRIALISTS 45: Carlos Ghosn, 55 Chief executive, Nissan and Renault 46: Indra Nooyi, 53 Chief executive, PepsiCo 47: Eric Schmidt, 53 Chief executive, Google MEDIA/ACADEMIA 48: Arianna Huffington, 58 Editor-in-chief, The Huffington Post 49: Rush Limbaugh, 58 Host, the Rush Limbaugh Show 50: Kishore Mahbubani, 60 Dean, Lee Kuan Yew School of Public Policy #
by ny_since1999
| 2009-03-11 23:16
2009年 03月 10日
2009年 03月 09日
試験が終わり、途中まで読みかけていた「貧困のない世界を創る」(Muhammad Yunus著)を一気に読み終えることができた。何度も何度も、頷きながら僕はページをめくった。それほどに深く、それほどにじっくりと考えさせてくれる本であった。 Muhammad Yunusはグラミン銀行の創設者。知る人も多いと思うが、彼およびグラミン銀行が2006年度ノーベル平和賞を受賞した。世界でも最貧国のひとつとされるバングラデシュで、貧しい人々に無担保で金を貸し、彼らが自活できるように援助の手を差し伸べる。返済された金はさらなる貸し出しにあてられる。それがグラミン銀行のビジネス。貸し出されるのはたいていの場合、ひとりあたりたった数十ドル程度のお金だ。 かつて、Muhammad Yunusは大学の経済学の教授だった。それは世界経済の中でうごめく数億ドルというお金のトレンドを理論で教えるお仕事。当時、Yunusはそれなりの給与をもらい、自分のキャリアの構築に必死に励んでいたという。だがある日Yunusは社会の現実を見ることになる。貧困が蔓延する村に足を踏み入れた時のこと。多くの人がわずか数セントの借金を返せずに苦労していた。Yunusは、すかさずそういった借金に苦しむ人たちがその村にどれだけ存在し、どれだけの額のお金を必要としているかを調べた。なんと42人の人々が合計でたったの27ドルのお金を返せずに苦しんでいた。その瞬間、自らが学校で教えている理論が全て空虚に感じられた。Yunusは、そこで人々を救うことを決意した。 マイクロクレジットと呼ばれるこの手法で、グラミン銀行は多くのバングラデシュ国民を貧困から救ってきた。その数は700万人を超える。従来の銀行家の発想であれば、貧しい人に金を貸しても返済されるはずがないというのが常識であった。ところが、グラミン銀行が貸し出した金の99%以上は利息付きできちんと返済されているのだという。かつて銀行から全く相手にしてもらえなかった貧しい人々が、マイクロクレジットによって得た資金で何かしらの商売を立ち上げ、自分の置かれた境遇を自力で改善している。そして、いまやこの銀行の株の94%は借り手自身が所有している。貧しき者が銀行のオーナーになれるなんてことを、これまで一体誰が真面目に考えただろう? 政府や従来の銀行が成しえなかったことを、一人の経済学者が一企業家として成し遂げたわけだ。Yunus曰く、「ちょっとしたお金で、貧困にあえぐ人々が喜んでもらえるんだ。それを見て僕もうれしいし、貸付業社もお金を返してもらえてうれしい」。世の中が不公平なのは、そのきっかけすらも与えられないまま、食うや食わずの生活から抜け出せないでいる人々が大勢いることだ。どこの国でも、政府はこの現状を打開する原動力となりえていない。 Muhammad Yunusのこのような取り組みは、現在、ソーシャル・ビジネスとして世界各地で展開されている。その進歩と発展には目を見張るものがる。それは時として感動さえを生む。だが逆説的だけど、僕はその“ソーシャル”という言葉に多少なりとも疑心を抱いている。昨今、SRI(Socially Responsible Investment)やCSR(Corporate social responsibility)という言葉を頻繁に耳にするようになった。CSRとは、企業とは社会のStakeholder(利害関係者:消費者、株主、環境、従業員 etc)の全てに責任があるという考え方。つまり、企業は利益第一主義を追求するのではなく、社会の繁栄を追求しようというのがCSRの基本概念だ。僕の疑心とはこうだ。はたしてどれほどの企業が本当にこのCSRというものを真剣に考え、実際に行動を起こしているかということだ。現実はこうだ。企業の多くは、CSRを謳う綺麗なパンフレットを作成し、自分たちがいかにCSRに忠実だということを一生懸命アピールしている。僕にはその全てが、消費者あるいは投資家のエモーションに訴えかけるマーケティング活動の一環にしか見えない。カラー印刷の小奇麗なパンフレットを数千部、あるいは数万部作成するよりも、その費用と時間を他のモノに使いうことはできないのかといつも思ってしまう。本当に企業が真のCSRを追求するのならば、自らの社会貢献活動をPromote(宣伝)するよりも、まずは実際に実行すべきではないのか?実際に社会貢献に少しでも時間とお金を費やすべきではないのか? 話をソーシャル・ビジネスにもどそう。Yunusが主張するようなソーシャル・ビジネスの最大の目的を一言で表すならば、それは社会そのものの繁栄だ。だが、こんにち僕たちが生きるこの社会では、その社会全体の繁栄に決して重きは置かれてはいない。現実はこうだ。先進国社会の発展のために、発展途上国は、無秩序な環境汚染や、自然破壊などの犠牲を被っている。Yunusは、そんな社会の姿をPMB(Profit Maximizing Business)の集合体と表現している。多くの企業群は株主のために利益最大化に奔走している、それがこんにちの社会の姿だという。昨今の金融恐慌の発端は、この行過ぎた資本主義、行き過ぎた利益第一主義がもたらした負の遺産であることは周知の事実。ソビエトが崩壊し、資本主義が世界の標準となってからおよそ20年。我々人類は、今一度、このPMBが前提に成り立つ社会構造を見直す時期に来ているのかもしれない。 さりながら、僕はその資本主義の仕組み自体に異議を唱えているのではない。“できる”ものが“富む”ことを抑制されてしまう世の中から如何にしてInnovationが生まれるというのだろう。ここで一つ日本の例にあげて、このことを考えてみたい。過去一年、日本では多くの非正社員が職を失った。そのことに対し、各種メディアや多くの団体が異を唱えた。相乗が相乗を繰り返し、この非正社員の解雇は社会問題にまで発展した。そのような社会の反発を目にし、国はそのような非正社員を如何にして保護するかの議論に奔走した。だが僕はそのような日本社会の動きに大きな疑問を抱いている。国がもし非正社員の保護のためにお金を使うのならば、それはお金の使い方として正しいとは思えないからだ。経済の低迷が危ぶまれる日本といえど、新技術の開発や、革新的なサービスの創造のためにリスクをとって日々情熱をもって挑戦する人間が多く存在する。そうした可能性を持った人間たちにお金を費やさずして、はたして国家の成長はあり得るのだろうか? 僕は疑問でならない。大前健一氏曰く、「フリーターや、ニート。ダメなやつは、どんなに金をかけてもダメ。そりよりもInnovationにお金をかけなければ国は成長しない」。過激な表現だが、僕は、大前氏の視点が間違っているとは思わない。 とはいえ、「ダメなやつはダメ」で終わってしまっては、技術革新に成功したとしても社会の繁栄がはたして成功するかどうかは疑問がのこる。富む者は、更に富み。富まぬ者は、更に社会の底辺へおいやられる。いずれ貧困は人の精神をもむしばむ。ひいては、それが多くの犯罪につながること目に見えている。それがはたして社会の繁栄と言えるのか? 現実に、こんにち、世界の最も豊かな人々に相当する5000万人の人々(上から1%)が得る収入は、下から57%の30億人以上もの人々が得る収入をも上回っている。これがこの地球の現実。はたしてこれは僕たちが求めている姿なのだろうか? ではどうするか?それを阻止するためには、社会の底辺で生きる人たちにも同様の機会を持てる仕組みが必要だ。実際に、以前こちらにも記したけれども、世界第二の経済大国の日本ですら貧困は無視できない問題だ。この国には、いくら頑張っても貧困の呪縛から逃げることのできない構造的な問題に苦しむ国民が多く存在する。そしてそんな現状を打破するためには、言わずもがな、“できる”者たちが仕組み作りに挑戦しなければならない。その一つの形が、Yunusが先駆者となったマイクロファイナンスなのかもしれない。もちろん、マイクロファイナンス自体が日本で活躍できるとは思わない。だが、“概念”としてそこから学べることは非常に多い。大事なのは個々人の選択の自由が保障されることだ。その先は各自の意志で選べばいい。こんにちの日本の現実は結果の平等を保障するための仕組みづくりが国によりせっせと進められているように思えるが、大切なのは結果ではなく、機会の平等だ。 かつてない恐慌により深刻なダメージを受けているこんにちのworld society。この現象が、企業の利益追求が善とされてきた社会の反動で生まれたとするならば、僕たちは今一度社会の歩み方を再定義する必要がある。企業利益の最大化が重要か?それとも社会の繁栄が重要か? くしくも、ソーシャル・ビジネスの先駆者ともいえるMuhammad・Yunusは、僕たちWharton Class of 2009の卒業式に出席してくれる。資本主義の中枢たるWall Street のファイター達を長年にわたり送り出してきたThe Wharton School。Yunusはそんな僕たちにどんな言葉を投げかけてくれるのだろう。その日、Yunusの言葉がこれから世界へ飛び立つ資本主義の申し子であるWharton MBAの心に届いたならば、きっと未来の資本主義は新たな形を見せるのかもしれない。 卒業式、僕たちWharton Class of 2009 はYunusからきっと大きなmissionを授かることになる。 #
by ny_since1999
| 2009-03-09 10:21
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アバウト
人生の日記です。 写真はシルクロードの玄関、西安から・・・。過去:日本を変えるために生まれた会社とともに生きる。現在:University of Pennsylvania The Wharton School 未来:アジア市場に夢を描く。 by NY_since1999 カレンダー
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