2007年 06月 06日
飛行機の扉が開いた瞬間、外界から日本では感じられぬ亜熱帯の大気が室内へと飛び込む。 気温33度。 湿度95%。 そのあからさまともいえる日本の気候との差が、自分が異国に着いたということを身をもって感じさせる。 そう、僕は香港に降り立った。 今回は仕事で来たとはいえ、僕にとってはおよそ10年ぶりの香港。 「香港の“今”をこの目で確かめる。」 そう心に誓ってこの地へやってきた。 1997年。 香港は英国の手を離れ、155年の時を経て中国へ返還された。中国という新たな親を持つことへの香港民の不安、新たな時代21世紀へ向けた大いなる期待。そんな様々な心境が入り混じりつつも、新たな香港は10年前に産声をあげた。 あれから10年。香港はどう変わったのか。中国に返還されたとはいえ、返還後50年間は一国二国制をとる中国。すなわち、50年間は従来通り、香港は別国扱いになる。ともなると、私のような外側に住む人間にとっては、香港にいかなる変化があったのか把握するのは易くない。この10年で街には何があったのだろうか? 実際に訪れてみると多くの点で変貌した香港の姿を垣間見ることができた。第一に、英語が明らかに通じなくなっている。かつて英国に統治されていた時代とはこの点において大きく一線を画す。その一方で北京語(普通語)が明らかに普及している。広東省に近い香港はもともとは(今でも圧倒的な主流だが)広東語が第一言語だが、現在は地を這うように北京語が広東語圏の牙城を侵食している。全土に放送されるTVや学校での教育等々がその由縁のひとつであるとのこと。遥か北方の遠く離れた北京からの風が今、中国全土に広がろうとしている。そんな中国の生の姿を現地で見ることができたことは今回の香港上陸のひとつの成果と言える。もちろん、“時代の変革”が生じているのは“言語”だけではない。実際に人的な行き来も加速度的に増加している。案の上、香港の空港では中国のパスポートをもった中国人であろう人々が屯をなし、列をつくっていた。事実、香港に観光で訪れた中国人が消費してゆくお金は、今日、香港経済の大きな屋台骨となっている。そしてその爆発的に増加する中国人の行き来はとどまるところを知らない。 中国と香港。 悠久の歴史を猛進してきた極東に生きる双子の龍。 中国と香港が完全に一国になるまであと40年。 その今後の40年を考える上で、今回の訪問は僕にはいくつものヒントを与えくれた。 明日は、いよいよ大陸へ上陸。 旅は今始まった。
by NY_since1999
| 2007-06-06 23:29
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人生の日記です。 写真はシルクロードの玄関、西安から・・・。過去:日本を変えるために生まれた会社とともに生きる。現在:University of Pennsylvania The Wharton School 未来:アジア市場に夢を描く。 by NY_since1999 カレンダー
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