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Wharton MBA 記  ~Carpe diem - 今を生きる~

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2009年 02月 28日

夢を追え

木曜日、素敵な出会いがあった。以前、慶應大学4年生のOさんがこのブログメッセージをくれた。MBAについて教えてほしいというのだ。OさんはわざわざWhartonまで来てくれた。出会いは実現した。

僕自身、彼と会うことに対し少なからず好奇心があった。このアメリカの地では現役大学生と会う機会は少なからずあるが、一方で日本の現役大学生と会う機会は皆無に等しい。故に、Oさんとの面会は日本の大学生を見る上で僕にとって興味深い機会でもあった。「若いころから、MBAなんぞを目指し、ゴタゴタいっている奴なんぞロクなもんじゃねぇ。ちょっと頭の硬い若造か?」というイメージが会う前に僕の内にあったのは正直なところ。(ちなみに僕は、もっと若いころからMBAをゴタゴタ考えていたが)。会ってみると、口髭に長い髪。そう、いわゆる日本の若者らしい様相。どんな会話が始まるのだろう。だが、話し始めてすぐにわかった。「こいつは面白い」。

Oさんからは、色々な質問を受けた。
MBAになぜ来たか?
その先に何を考えているのか?
いつMBAの受験を考えたか?
実際にMBAに来てみて、何を学んだか?
一方で、悪い面はあったか?
うれしいことに、Oさんは僕のブログをかなり古いものまで含め読み込んできていた。
あそこで、○○というコメントがあったけどその真意は何か?
等々、話した内容は枚挙にいとまがない。

僕はその会話の中で一貫して彼の目を見ていた。人間の目とは実に正直なものだ。僕は彼の目を見てすぐにわかった。「こいつは真剣だ」って。予定の時間を大幅に越えて、話は盛り上がった。それだけ、僕にとって学びも多かった。

日本の人口は2006年、1億2777万人を頂点として、半永久的な人口減少期に突入した。今から44年後の2053年には、人口は1億人を下回る。その間、国民の平均年齢は上昇の一途を辿る。現に、こんにち日本国民の平均年齢は50歳を既に超えている。税金、年金、保険。国家の体制は、そういった更なる高齢化社会の到来を前提に日々構築が進む。そんな環境下、若者たちのプレゼンスは低くなるばかり。フリーター、パラサイト、ニート、非正社員。人口構造の中でのプレゼンスが低くなる若者たちは、社会の中でもそのプレゼンスが日々急速に縮小している。

滑稽かな、そういった若者たちの“知”を養うための高等教育機関であるはずの大学は、若者の人口減少とは裏腹に、無秩序な増加を繰り返し、07年では国立大学87校、私立大学583校、短期大学434校となり、2007年には、全入学時代、つまり誰でも入学できる時代が達成された。いつしか“大学は遊ぶところ”、そんな枕言葉がつき始めた。(関連記事)。人類が未だかつて経験したことのない超高齢化社会を迎える日本。その中で未来へのHope(希望)を一手に背負う若者たち。だがこの国では、若者たちの多くは、そのmissionとは裏腹の道を進んでいる。否、進まされているといっても否定はできない。

そんな中、たとえ一人だけであっても、真剣に自分の将来を考える一若者と会えたことは僕にとって財産だ。Oさんは3月に大学を卒業後、外資系企業のマーケティングに携わるそうだ。是非、社会というものをまずは全身で学んでいただきたい。そして、もしその先にMBAに挑戦したいと思えるのならば、きっとそれは必然なのだろう。是非挑戦してほしい。僕に何かできることがあればいつでもご連絡を。僕の店はいつでも開いている。

でも、僕はこうも思う。本当は大切なのは、年収がどうのこうの、キャリアがどうのこうの、MBAがどうのこうのではないと。
大切なのは、大志を抱き、夢を描き、突っ走ることだ。

Oさんよ、

夢を追え
そして世界を変えろ

by ny_since1999 | 2009-02-28 23:59


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